インタビュー

和歌山大学卒業。在学中に予備校講師や不登校児向けの家庭教師などのアルバイトを行う。巻き込み型の勉強方法を用いて勉強の面白さを伝えたことで、子どもたちが自発的に学び始め、評判を呼ぶ。卒業後は大阪のIT企業に入社し、販売管理ソフトのコンサル営業を担当。2004年に退職しサンレックスに入社。取締役東京支社長などを経て、2018年に社長就任。

私の父親（現会長）は、サンレックスの創業者です。学生時代は複雑な感情を抱いていたため、どうすれば父に負けない大人になるか？を考えました。そこで思い浮かんだのは、「同じ業種で同じような会社をつくろう。そうすれば、父親に負けないだろう」ということ。幼い頃から家にパソコンがある環境で育ち、得意ジャンルだったことも理由のひとつでしたが、IT企業入社の決め手は、「打倒父親」だったんです。 しかし、就職したIT企業はタイミング的に不安定な時期と重なり、仕事について悩む日々が続きました。たまたま和歌山に帰り、父親と風呂屋に行くことに。そこで「今、仕事楽しいんか？」「会社があまり好きじゃない。そういう意味では、仕事はあまり楽しくないかも」「EDI業務で東京に出る。うちへ来て、楽しく仕事せーや」のやりとりを経て、サンレックス入社を決めました。

2004年5月、サンレックスに入社し、東京へ向かいました。この時点では、まだ東京オフィスはありません。お客様の事務所で働く時間以外は、小田急百貨店の屋上でパソコンを広げたり、新宿駅の電話ボックスから電話をかけたりしていました。そのあと、私とスタッフで400件以上の契約を取ることに成功。東京オフィスの開設に至ります。 そして、2018年、社長に就任。数年前からすべての現場を見ていましたが、社長は、最後に決断しなければいけない立場です。改めて責任の重みを感じました。また、2代目は、すでに地盤があり、社員を抱えている立場です。守るべきものがあり大変だと思う一方、揃った状態で自分の経営ができる良さがあると感じます。

学生時代は「周りのみんなは楽しそうでいいな」と思っていました。僕は「小さい頃から仕事とは何ぞや」と刷り込み教育を受けている状態。社会人には売上予算、必達予算があり、達成に向かってプロセス管理を行います。僕の場合、中学時代の中間テストから、予算がありました。 500点満点として、必達予算は430点。未達成であれば429点も0点も同じという教育です。2点足りなかったときは、何が足りなかったのか、原因を究明して原稿用紙2枚に反省文を書かされ、正座しながら読み上げさせられました。そのため当時は、周りの友達やバイト先の先輩の発言や行動に対して「甘いな」と思うことがありました。ただ、僕が受けてきた教育は、大人になった今だから納得できることもあります。

とにかく視野を広げることに時間を費やすと良いと思います。もし、何をすればいいかわからなければ、海外に行きましょう。アメリカやカナダに行き、日本の常識が世界の常識かどうかも含めて、自らさまざまな体験をしてください。 あとは、法に触れない程度なら、何をやってもいいんじゃないかと思います。僕自身は、大学時代にもっと遊んだり、いろいろな人と関わったりすべきでした。学校とアルバイトで精一杯でしたから。ただ、日本で遊んでもたかが知れていると思います。どうせ遊ぶなら、やっぱり海外で遊んだほうがいいですよ。