経営者の視点を掴んだ3日間
- 静岡大学
- 久野 楽人
- 株式会社サンレックス 代表取締役
- 𠮷村 章
株式会社サンレックス
株式会社サンレックスは、和歌山県と東京に拠点を置き、流通小売業と仕入れ先をITで繋ぐことで、企業の課題を解決するサービスを提供する会社。流通における煩雑な仕入れ業務を画一化・自動化させるサービスを中心に、丁寧で柔軟な対応を強みとし、流通インフラを支える存在を目指す。5年以内に年商15億円を達成し、社員数100名未満の規模を維持することを目標とする。発想力とチャレンジ精神を持つ人材を歓迎し、楽しく働ける環境を提供する。
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社長の鞄持ちをしてみたいと思ったきっかけを教えてください
久野:大学生活ではサークル活動でリーダーを務めることが多かったのですが、自分のやり方が正しいのか、他の人にどう映っていたのか、常に不安がありました。そんなとき『社長の鞄持ち』を知り、社長の視点から組織の運営やトップとしての思考を学べる機会だと思い、挑戦してみたいと思いました。
吉村社長:学生さんがどういう気持ちで参加してくるのか、最初は正直わかりませんでした。でも、私自身もこのプログラムを通じて新しい視点を得られると考え、楽しみにしていました。 -
3日間のインターンはどんな内容でしたか?
久野:初日は朝から緊張の連続でした。社長のオフィスは大きくて立派で、受付で名前を伝えるだけでも手が震えました。ですが、吉村社長が優しい笑顔で迎えてくださり、一気に緊張がほぐれました。その日はマネージャー会議、営業会議、進捗確認会議など、さまざまな場に同席させていただきました。
吉村社長:「1日目はとにかく忙しい日でしたね。でも、ただ見てもらうだけではなく、会議の流れや発言の意図をその場で説明するようにしました。なぜ私が発言しないタイミングがあるのかなども話しましたね。」
久野:吉村社長が会議中、さりげなく『ここでは相手に発言を促すんだよ』と教えてくださったおかげで、ただの傍観ではなく、会議の本質を学ぶことができました。経営者が一つ一つの会議でどれだけ考えているのか、その奥深さに驚きました。
久野:2日目は新商品開発会議に参加しました。大学でのディスカッションとは違い、緊張感がすごかったです。参加者全員が真剣に意見をぶつけ合い、白熱した議論を繰り広げていました。責任感と使命感がにじむ空気に圧倒され、自分もいつかこのような場に立ちたいと強く感じました。
吉村社長:開発会議は、私たちが次のステージに進むための重要な会議です。久野さんにもその熱量を感じ取ってほしかったので、あえて最前列に座ってもらいました。その後、仕入れ先の取締役とのミーティングや会食にも同行してもらい、ビジネスの場での信頼構築を学んでもらいました。
久野:仕入れ先の方との会話では、吉村社長が『利は元にあり』という考え方で、取引先を大切にしている姿に感銘を受けました。自社の利益だけでなく、相手の成功を一緒に考える姿勢が素敵で、こういう関係性を築ける経営者になりたいと思いました。
吉村社長:最終日は、会社の存在意義や経営理念について深く話し合う時間を取りました。私たちの経営理念は『信頼関係をもとに価値を創造する』ですが、その解釈や実践について学生さんの視点でどう感じるのかを壁打ちしながら考えてもらいました。
久野:吉村社長と直接話し合う中で、信頼と信用の違い、経営者としての使命感、そして社員の育成についてまで教えていただきました。まるで特別講義を受けているようで、時間が経つのを忘れるほど没頭しました。この3日間は、自分にとって大きな転機になりました。
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社長の鞄持ちを通じてどんな学びがありましたか?
久野:吉村社長は一つ一つの決断に対して深く考え、誠実に対応される方でした。私のような学生に対しても真正面から向き合ってくださり、その懐の深さに感動しました。
吉村社長:久野さんのようにエネルギーの高い学生と接することで、私自身も刺激を受けました。このプログラムを通じて、未来の可能性を感じる若者とつながれるのは、企業にとっても大きなメリットだと思います。