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若者を導くのは、大人のつとめ。
強みをヒアリングし、人の心に刺さる
『集客向上看板』屋の熱い想い。

安藤 順浩 (あんどう のぶひろ)

株式会社倉敷看板

代表取締役

インタビュー

プロフィール

  • 出身地

    岡山県

  • 尊敬する人

    大原 孫三郎

  • 座右の銘

    我以外皆我師

  • 習慣にしていること

    いろいろな人と話すこと

  • 愛読書

    『わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―』『道は開ける』

今までのご経歴など、自己紹介をお願いします。

僕の親が鉄工所の経営者ということもあり、専門学校に進学。卒業後は、地元の鉄工所、長崎県の鉄工所でNCオペレーターとして働きました。
地元に戻り、親父と働いたこともありますが、0.1mmのズレも許さない厳しさに根をあげましたね。
今思えば、自分が甘かった。その後はプー太郎生活を約半年。

転機となったのは、高校時代の友達から「親父の会社が忙しいから手伝って欲しい」と頼まれたこと。
初めて看板を取り付けたときには、お客さんに「ありがとう」と言われました。鉄工所時代は、ありがとうなんて言われたことないなと。
こりゃええ仕事やなと思い、就職して正社員になりました。

当時の社長が脳梗塞で倒れてから、数年後に社長に言われたのは「もう、ようやらん。会社をたたむか、安藤くん会社を買ってくれるか」との言葉です。数百万用意し、社長として再スタートを切りました。

事業内容についてお聞かせください。

会社を継いでからすぐ、完全に看板にシフトしました。あとは、サブで店舗のメンテナンス工事を請け負う程度です。

看板は、相手、場所、目的によって変える必要がある。店舗看板がほとんどですから、立地条件を見て、いちばん効果的なものを推薦、提案しています。
僕が名乗っているのは『集客向上看板』。強みをヒアリングして、往来を行く人の心に刺さるような看板にしましょうと。

社長って、しゃべりたがりが多いんです(笑)。雑談の中でターゲットをさぐることもありますね。
特に今は、体験や共感を売る時代。このサービスを受けたら、この店に来たら、どんな成果が得られるのか、お客さんにイメージしてもらわないといけない。僕も、商工会議所をはじめ、いろいろな会に入り、さまざまな分野の社長と話しています。違う業種の話を聞くことで、お客さんに提案できることも増えますから。

会社を継いだ直後に入ったのが、倉敷商工会議所の青年部YEG。
相談した社長が「いろんな社長と関わって、自分のレベルをあげなさい。器を広げなさい」と言われたんです。
「仕事をもらえると思って入るな。勉強しに入れ」と。はい、わかりましたと素直に思ったことは、今でもよく覚えています。

会社のビジョン、ミッションについてお聞かせください。

弊社の経営理念は「より多くの人に喜ばれ、より多くの人を笑顔にしよう」です。
たとえば、僕が看板を設置することで、お客さんに笑顔になってほしい。あとは、看板を設置したことで、お店を見つけた人が「いいお店を見つけられた」って笑顔になるとかね。
自分自身も、会社の人間も、周りがみんな笑顔になればいいなと。

全人類を幸せにするとかいうのはさすがに言えないけれど、自分の手が届くところは、やっぱり笑顔でいてほしい。人の役に立って生きること、喜んでもらうことが、対価としてお金で返ってくることを実感しています。

これからのミッションは、社員に考え方を浸透させること。
零細企業なので、僕にはお客さんがついているけれど、会社にはまだまだついていない。いかに会社全体に浸透させるかを考えています。

正直、すごく忙しいです(笑)。でも、僕は倉敷が好きなので、倉敷を好きになって欲しいとの想いがあるんですよ。だから、来てくれた人に、全力で歓待をする。
やっぱり地元が活性化しないと看板屋っていらないじゃないですか。ゴーストタウンには、看板いらないじゃないですか。まちが活性化したら、僕らの仕事も潤う。

商工会議所活動も、その思いに通じるものがありますね。政策提言や産学連携、『倉敷三斎市』なども、まちのことを考えて始めたもののひとつです。

「こんな人と会いたい!採用したい!」の「こんな人」と、その理由をお聞かせください。

好奇心旺盛な人がいいですね。「いろんなことをしたい」「いろんなところを見てみたい」という人は、ちょっと興味あります。
あと、ちょっと悩んどる子、「将来どうすればいいんだろ」と思っている子からも、話を聞いてみたいですね。

学生さんは、宝物ですよ。でも、いちばん最初に入った会社の人間関係で、うつ病みたいになったり、働きたくないと思ったりする子もいるんですよね。
三斎市では、若者サポートステーションと連携して、いろいろな社長と話す機会を設け「社長って怖くないんだよ。意外と距離近いよ」といったことを伝えたりもしています。

今、ゆとりとかさとりとかいろいろ言うけれど、自分たちが若かったとき、どうなの?と言うと、もっとひどかったなって思うから。経験も何もないんだから分からなくて当然。僕たち大人が導いてあげるのが、ひとつのミッションだと考えています。

学生へのアドバイスをお願いします。

何をやっても、経験になります。
意外と大人は受け入れてくれるので、いろんな人の話を聞きにいったりとか、いろんな活動をして経験を積んだりするといいよと言いたいですね。
いけないのは、人を馬鹿にしたり、粗末に扱ったりすること。必ず自分に返ってくるから、それだけはしないほうがいいですよ。

社長のカバン持ちやガクセンを申し込む子は、一歩踏み出した子だと思います。そういう子たちは、特に次世代リーダーとして育って行ってほしいですね。
株式会社倉敷看板

取材日 2021年01月

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